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「全文書き起こし」をどこまで校正する? 元校正者の私がログ作成で戸惑ったこと

ログミーファイナンス編集部の金子です、こんにちは!
私がログミーに入社して3ヶ月経ちました。書き起こした決算説明会の原稿を読み、ログ化する日々を送っています。
前回のブログでお話ししたとおり、私は前職で小学生向け教材の校正者をやっていました。そろそろログミーに慣れてきた……とはいえ、やはり前職の「校正・校閲」と、ログミーでの「整文」はだいぶ違うなぁと感じています。

「書き起こしって、人がしゃべったことをそのまま文字にするだけでしょ?」 「ログミー編集部って、なにをするところなの?」

……と思われがちなログミー編集部ですが、今回はもともと校正・校閲をしていた私が、ログミーの「整文」で戸惑ったことなどをお伝えできればと思います。

そもそも整文ってなに?

ログミーではログを作る時に、書き起こされたものを「文字情報として読めるもの」にする「整文」を行っています。 (この記事でお話する「整文」は、あくまでもログミーでの位置づけでご紹介しています)。
人が話した言葉をそのままテキスト化するだけでは「読める文章」になりません。話している方の多くはその場の空気感や身ぶり手ぶりを加えていることが多いため、文字情報としては成立しにくいのです。
例えば、会場にいた人なら身ぶり手ぶり付きで理解できても、話したまま文字で「こういうかたちの」「あっちからだーっと走ってきて」と表記した場合、読み手に確実に伝わるとは言い切れません。
また、人の話し方にはそれぞれ癖があります。資料を読みながら話す人、補足をくわしく話す人、思い出したまま話す人、特徴的な口癖がある人……など。文字に起こしたとき、語順によっては、すんなりと頭に入ってこない場合があります。
そこでログミーでは、音源から書き起こしたものを「文章として読みやすくするため」に整文します。
当然ですが、言葉の誤りを直しても文章自体を大幅に直すことはありません。
「読み手にとってわかりやすい」かつ「話し手の伝えたいことが伝わる文章になっている」。両者を意識した整文を行います。

それではさっそく、私が校正・校閲とログミーの整文で戸惑ったことをご紹介します!

書き言葉と話し言葉の違いで戸惑う!

整文を進めていく中、元校正者として私がぶつかったのは「書き言葉と話し言葉の違い」でした。
書き言葉とは、人が文字として読むことを想定して、主語や述語などが整っているものを指します。私が前職で関わっていた教材では、書き言葉が使われています。
一方で、ログミーは「全文書き起こし」のため、話し言葉が中心となります。
話し言葉とは、人が話したことをそのまま文字にしているものです。話の内容とともに、感情や臨場感などが伝わりやすいものが多いですね。きっちりと整った印象のある書き言葉に比べて、やや崩した印象があるのが話し言葉です。
私はこれまで、読みやすさを意識した書き言葉を3年間校正してきました。
そのため、ログミーで「話し言葉」に読み慣れるまで少し時間がかかりました。書き言葉よりラフな話し言葉を見て「この言葉の表現は正しい? 間違ってる?」と迷いがちだったのです。
「Aもあり、Bというのもある」を、「Aもあり、Bもある」というふうに直すかどうか……など。

どう解決した?

ログミーで整文を続けているうちに気づいたのは、ログミー読者が求めているのは「完璧な文章」ではなく、スピーカーの熱量やその場の雰囲気、流れということでした。
完璧な書き言葉を目指せば、場の雰囲気などを失ってしまう可能性があります。
そこで私がすべきなのは、文字情報をわかりやすく、語弊なく伝わるように文章を整えること。
固有名詞や表現として正しいかどうかはもちろん、「という」「って」「〜でございますから」など、口調として連続しがち、かつ文字面としてはノイズになりそうなものを調整するようにしています。

誰目線になるべきかで戸惑う!

また「誰目線なのか」も迷うポイントでした。
私が小学生向け教材の校正者だったときは、
  • テストに使用する文章と教科書を一字一句つき合わせて、間違いがないか
  • 教材を学習する時点で、未習の事項を載せていないか
  • 小学校1~6年生の語彙力や知識で解ける出題方法になっているか
など、「原典に沿う+表現を子ども目線に落とし込むこと」を第一にした校正・校閲を行っていました。
例えば、ひらがなを習ったばかりの1年生の教材では、ゴシック体は使用しませんでした。
ひらがなは、主に教科書体・それをもとにした手書き文字で学習します。習った文字と、ゴシック体のような「同じだけど見た目が違う文字」だと、混乱させてしまいます。そのため、すべての教材で教科書体に統一していました。
つまり、「読み手にとってわかりやすい校正」をしていたのですね。
子ども向けだったこともあり、ある程度の語彙力や思考段階は想像がつくため、なにを補足すればよいかがわかっていました。
しかし、ログミーでは扱うジャンルがさまざまです。
例えばエンジニア向けイベントのログだった場合、さまざまな言語が登場します。元校正者の目線からすると、この言語をカッコで説明を加えるべきか、加えないべきかで迷うわけです。
また、今私がジョインしているログミーファイナンスは、忙しい機関投資家やアナリスト・決算説明会に参加できない個人投資家・現時点では投資活動をしていない、未来の株主層にご覧いただいています。
こういった方々は私にとって、まったく接点がなかった人たちです。
つまり「『読み手』がどの程度の知識・興味をもっているか」「記事の話題についてどこまでわかっているか」がわかりませんでした。
私にとってわからない言葉にカッコ書きでわかりやすくするための注釈をつけても、その言葉がログミーの読み手にとって既知の物事であれば、ただのノイズになってしまうのですね。

どう解決した?

全文書き起こしは、話し手の言葉を削らずありのままに伝えるため、偏向報道から話し手を守る手段になります。
その点からいうと、意図しない補足は、話し手ではなく「編集者」の意図になってしまいます。
そこで、下記のポイントで補足をつける・つけないを判断するようになりました。
「読み手にとってわかりやすい」 「話し手の伝えたいことが伝わる文章になっている」
ログミーファイナンスの決算ログでは、話の流れを追いながら、決算用語なのか業界・企業・事業用語なのかを理解し、後者であれば調べて補足するようにしています。
もちろん、私だけで判断できないときは、ほかの編集スタッフに声をかけます。複数人でチェックし合うことで「この補足は必要」「不必要」がわかりますし、何度もくり返すことで私なりの判断基準もできてきたように感じています。


ログミー編集部の仕事の一部である整文について、つらつらと書いてみました。
「読み手にとってわかりやすい文章」に、多少近づいていたら幸いです。
今までなにかしらの編集職に就いていた方も、ログミーに興味をもってくださった方も、お気軽にご連絡くださいませ。よろしくお願いいたします!
2017/09/06 16:00
金子綾花

金子綾花

ログミーファイナンス編集部所属。最近やや笑い上戸。

こんにちは、ログミーです。(YADOKARI編)

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